これなが宙 メールマガジンNo.27(2019/12/05)

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夫婦がマイホームの建設を考えています。

夫が家を建てる場所を決めて、土地取得のための

サインを欲しいと言ってきました。

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どんな場所か調べてみると、川の近くの土地で防災マップでは「浸水深=約8m」と表示されています。浸水被害が心配されるとなれば、地面のかさ上げなどの対策を考えなければなりません。当然、建築費も割高になる事が予想されます。

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そこで妻は

「その土地は大丈夫なの?」と聞くと、

「知り合いに相談していて、大丈夫って言ってた」と夫。

「知り合いの中に河川防災に詳しい人はいたの?」と聞くと、

「専門家はいないけど、設計図を書くときに意見を聞くから大丈夫」と夫。

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「じゃあ、どんな家を建てるの?」と尋ねると、

「まだ計画中。設計図ができたら見せるよ」と夫。

それを聞いて妻はびっくり!

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つまり、その土地にどんな水害リスクがあるのか、はっきりとわかっていない上に、建物を建てるときにどれくらいお金がかかるかわからない、にもかかわらず土地だけ先に購入する、ということだからです。

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「どうしてそんなに急いで土地を買うの?」と夫に尋ねると、

「有利な住宅ローンが今はあるんだ、早く決めて家を建てないと有利な住宅ローンが使えないから急いでるんだ」との答え。

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こんな状態でも、夫の言うとおりに土地購入のハンコを押せますか?

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こんな話と同じ事が、12月議会に提案されています。

新しいごみ処理施設の建設予定地の用地取得の議案です。

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用地取得面積は44749㎡。取得金額は1億3425万円。これだけでも大きい金額ですが、新しいごみ処理建設にかかる事業費は約100億円と言われる大事業です。ただでさえ足りないと言われている市の貴重な財源を充てることになるので、慎重にも慎重を期して審議し議決する必要があります。

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たとえ話に出てくる夫の知り合いは建設検討委員会です。建設検討委員会はごみ処理施設を検討するうえで必要と思われる学識経験者などから構成されているので、その決定は重いものがあります。

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ただ、建設予定地の洪水リスクは他の地域と比べても浸水深さも大きく、また地形的にも特異な場所なので河川防災の専門家の意見は必須と思われますが、建設予定地を選定する段階では、そういう専門家の意見の聴取は行われていません。

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またどのような議論が検討委員会でなされたのかを検証しようと、詳細な議事録を請求しましたが、議論の核心部分は黒塗りされていて、具体的にどのようなやり取りを経て選定されたかは検証できない状況です。

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一方で、たとえ話にある住宅ローンというのは合併特例債です。詳しいことはここには書きませんが、合併特例債は有利な条件で借りることができる特別な借金です。この借金を使えるのが令和7年度までと決められているので、その年度末までに施設を完成させなければ有利な条件の借金を活用できないことになります。

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この借金(合併特例債)が活用できなければ、市の財政負担は膨らむことになるので、市の執行部は早く着工にこぎつけられるよう急いでいます。「特例債の期限を遅れると市の財政負担が増えることになるよ、それでもいいの?」と執行部は暗に迫ってきています。

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市の財政がひっ迫しているので、執行部がそこにこだわるのも理解はしますが、安全と財政を天秤にかけることができるでしょうか?

特に今回のような廃棄物を扱う施設は、十分な安全が確保されることが何より絶対条件だと考えます。

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時間がなくて拙速な判断をしてしまった結果、想定以上の水害で施設に被害を受けるようなことになれば市の財産を毀損することになります。そればかりか、もし廃棄物などが安曇川を通じて琵琶湖に流れて汚染するような事になれば、お金で解決できる問題ではなくってしまいます。

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高島市はダイオキシン問題で厳しい批判を受けています。環境面をおろそかにするような行政判断をした場合、その判断だけで市の内外から大きな批判を浴びる可能性があるということも私たちは自覚しなければならないと考えています。

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次号、メルマガno.28では「建設予定地の水害リスク」について、河川防災の専門家へのヒアリングを基に詳しくお伝えします。

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2023年12月10日