【リスクを切り分けて考えることで漠然と不安がるのではなく、対策のアイデアも出てくる!】
高島市で2例目の感染者が出たことが発表されましたが、仮に身近な人が感染者であっても冷静に、感染予防行動をとることを心がけていきましょう。
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さて、世の中が夏休みになり県外から来られた人が増えてきていますが、県外からの人たちをおおらかに迎え入れることはできないものか、とよく考えます。
「たくさんの県外の人が湖岸でバーベキューしてた。キャンプ場にはテントがびっしり張ってあったけど大丈夫やろか?それに若い人がマスクもせずにスーパーで買い物してて、スーパーに行くのがちょっと怖いわぁ」
と、眉をひそめた感じでこんな会話をされる場面に遭遇します。確かにコロナの感染が拡大している状況でもあり、不安な気持ちになってしまうのは仕方がないと思います。
でも、その不安について立ち止まって考えたいと思います。
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◆リスクを切り分けて考える◆
上の会話の状況には複数のシチュエーションがごっちゃになって語られ、全体として“県外の人がたくさんやってきて不安”という印象が残ってしまって、感染への不安だけが増幅されてしまっていると感じます。このような漠然とした不安の会話が積み重なっていくと「県外の人はマナーが悪い」→「県外の人から感染するんじゃないか」→「感染者はマナーを守らない人」→「感染者になると非難される」→「感染者になりたくない」というような思考につながって過剰な自粛や行動規制につながり、感染者に対するバッシングにつながると考えられます。
このようなスパイラルに陥ってしまわないように、リスクを場面ごとに切り分けて考えることが大切ですし、リスクについて切り分けて考えると、いろいろ対策のアイデアや逆の発想も出てきます。
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最初の会話中の「湖岸でバーベキュー」の状況を考えてみます。
まずもって湖岸は野外なので、いわゆる3密にはあたらず、周囲の人にコロナを感染させるリスクは低いと考えられます。もちろん飲食をしながらおしゃべりをするという状況なので、BBQをしている人同士の感染リスクはありますが、野外のBBQが直ちに地域社会への感染リスクの上昇につながっているとは考えにくいと思います。なのでゴールデンウイーク前後に湖岸の駐車場をすべて閉鎖してしまう対応をしていましたが、私は過剰な規制だったのではないか、と考えています。
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次に「テントがびっしりと張ってある」状況。
これも野外の活動なので、テントがびっしりと張ってあるからと言って“3密”の状況とは言えないと思います。ただ、ソーシャルディスタンスで考えれば、“隙間もないほど建てられているテント”はリスクを上昇させる懸念があります。それならば、キャンプ場の入場定員を制限すれば“テントがびっしり”という状況にならず、リスクを下げることができます。ただ入場制限すればキャンプ場の収益を下がることになりますが、キャンプ場利用者にとっては入場制限によって“いつもよりもゆったりとキャンプを楽しめる”というメリットが生まれます。利用者にとっては、より質の高いサービスを受けられることになるわけですから、入場料を割高に設定して利用者からマイナス分を回収しても、理解を得られるのではないか、と考えます。
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3つめの「マスクもせずに、店に入ってくる」状況ですが、これは問題があります。
店を利用する人を含め、地域社会の感染リスクを高める行動になります。ただお客様として来店されるわけで地域の経済にとっては少なからずプラスになることは間違いありません。ただでさえ厳しい経済状況を考えると、大切なお客様であることに変わりはありません。そこで、店の入口にアルコールを置くという入店者の意識まかせの対応を変えて、マスクや手指消毒用のウェットティッシュなどを無料で配布し、体温測定もして、入店前にしっかりと感染予防ができるように準備をしておく、というのはどうでしょう。来店される人は安心して利用することができるので、売り上げが上がる効果も期待できます。もちろん衛生資材を配布すれば店にとっては経費増となってしまいますが、例えば自治体が“安心して買い物ができる高島”というようなキャンペーンをして、衛生資材を提供するなどしてとして支援したらどうでしょう。日本全国が“わが町に来るのお断り”の看板を掲げる中、安心して訪れることをアピールできれば、高島の好感度がアップして、訪れた人のイメージアップにもつながるのではないでしょうか?もちろん人が集まり過ぎてしまうとそれはそれで問題になってしまうので、大々的な宣伝は控えなければなりませんが、少なくとも来てくれた人に対して、丁寧に配慮していることが伝われば、必ず好感度アップになって、印象に残るまちとなり、コロナの脅威が去った時に追い風になってくれると思います。
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◆どんな暮らしをしているかに思いを寄せる◆
そもそも人は他人に親切にしてもらえたら、親切を返そうと行動しようとします(100%とは言い切れませんが)。他地域から来る人を警戒して排除の対象としてしまうような雰囲気は、人間をとげとげしくさせ、逸脱行動を促してしまうと考えられますが、ウェルカムな雰囲気は人を和ませ、思いやりを生みます。
やってくる人が普段どんな生活をしているのかに思いを寄せるのも大切だと思います。他地域、特に都市部に住んでいる人は、日常生活を送るだけでもストレスの連続です。外出するにも電車や地下鉄、バス利用のため密を避けられませんし、買い物も密な空間になりがちです。そのようなストレス社会に暮らしている人が、高島のような自然豊かで空間が十分にある場所に来れば、緊張が緩むのも仕方がないことですし、そういう場所で休みの日を過ごしたいと願うことは自然なことです。都市の人たちの暮らしを想像すれば、せっかく高島に来てくれたのだから、ゆっくり過ごしてほしいな~と思えてきます。
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もちろんこのような策で100%の感染防御ができるわけではありませんし、期待通りのプラス効果が現れるかは未知数です。でも本当に怖いのはコロナの病原菌よりも、コロナウィルスへの偏見だと考えています。正体がはっきりしないウィルスに対して、漠然とした不安が不安をよび、今の私たちの社会は自粛に自粛を重ねてしまって「萎縮社会」となってしまっています。そして過剰な自粛行動の強制や、感染者、医療従事者への偏見や差別、排除につながっていると思うのです。
他地域から来た人がどんな暮らしをされているのかに思いを寄せ、起こっている出来事に対してリスクを切り分けて判断することで、漠然とした不安の連鎖を断ち、解決策や逆転の発想も出てくるはずだ、と考えています。