これなが宙 メールマガジンNo.9(2017/10/18)

【地域エネルギー政策を地方自治体が進める意義】

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┝╋┥いきなりクイズです。
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質問1:「交通事故死」と「溺死」どちらが多いと思いますか?

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質問2:「溺死」する人は夏と冬、どちらが多いでしょう?

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高槻市で行われた「地域エネルギー政策」と題した勉強会に参加しました。講師は(一般社団法人)地域政策デザインオフィス代表理事
田中信一郎さんでした。実は最初のクイズ「地域エネルギー」の話しと、とても関係があります。(答えは下の方にあります)

田中さんは、地方自治体がエネルギー政策(再生可能エネルギー)を実施するメリットとして、

◆地域外へのエネルギー支出金を抑制し、域内投資(消費)に回して地域経済を振興させるため

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◆エネルギー効率の良い住宅(断熱性能の高い住宅)を普及することによって、住民生活の快適性と健康性を増進できる

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◆エネルギーの地域自給率を上げれば、国内外の情勢変化に伴う経済と生活の激変を緩和させることができる

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などを挙げ、地域エネルギーを再生させることが地域にどのような変化をもたらし、かつ多くのメリットがあるかということをドイツの事例をとってわかりやすく解説してくださいました。

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簡単に言えば、電気などのエネルギーを消費するとその分のお金を域外(ほとんど外国)に支払っているのが現状なのですが、エネルギーを地域で生産することで雇用や設備需要を生みだして、地域経済を膨らませようという提案です。実際にドイツなどの欧州の国では、その仕組みを作りだして地域経済がしっかりと回っているのです。

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ドイツで地域エネルギー生産が活発なのはチェルノブイリ原発事故を契機に盛んになった反原発運動と関係があります。反原発運動の活動家が再生可能エネルギー事業を立ち上げ、それが商業的に成功し、ビジネスモデルが確立され、もはや原発賛成派も反対派もエネルギー事業をやろうよ、というコンセンサスができあがっているのだそうです。

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「反原発運動の活動家も、エネルギー生産事業に取り組んでどんどん儲けよう!」という田中さんの言葉がとても印象的でした。

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さて、地域エネルギー政策はエネルギーを「つくる」ばかりではありません。「効率的に使う」ような社会づくりも地域エネルギー政策と言えます。

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┝╋┥さて、冒頭クイズの答えです。
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質問1・・・「溺死」が多い

質問2・・・「冬」が多い

意外にも「溺死」は交通事故死よりも多くて、夏より冬の方が多いのです。ここまで読んでピンと来た方もおられると思います。

「溺死」には海や川で溺れて亡くなられる人もいるのですが、お風呂場で亡くなられる人が多いのです!

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┝╋┥その原因は、循環器系の疾患。
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いわゆる心不全とか脳卒中です。

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筋書きはこうです。冬に暖かい部屋から寒い脱衣場に移動し、そしてお風呂場では40度近い温度。この急激な室温の変化に身体がついていかず心臓や脳の血管が破れてしまう。これがお風呂の中で起こってしまうと、そのまま風呂で溺れてしまい、統計上は「溺死」と分類される。結果、冬季に「溺死」が多くなるのです。

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日本の冬は寒いから仕方がない、と思われるかもしれません。そこで冬季と夏季の「溺死者数」を比較してみると、夏冬の季節の格差が大きいのは冬の寒さが厳しい北海道や東北となり、格差が小さい(冬に溺死が少ない)のは沖縄や九州など暖かい地域になるはずです。

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┃★┃ ところが実際は、
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北海道が1番格差が小さいのです!ちなみに2番目は沖縄県(これは予想通り)。これは何を意味しているかというと、北海道の家屋は「断熱」がしっかりされているから、家全体が暖かく、部屋と脱衣場の温度差が小さい(=循環器系の発作が起こりにくい)という事が言えるのです。つまり家屋の断熱性を高くする=エネルギー効率を良くすることで、循環器系疾患の発症をある程度抑えることができるのです。

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循環器系の疾患が抑えられるということは医療費も抑えることができ、社会的な負担や患者の家族の負担を減らすことにもつながります。

ちなみに脳血管疾患の年間医療費は1兆7800億円。虚血性心疾患の年間医療費は7400億円で合わせて2兆5000億円にものぼります。仮にこれらの疾患の1割を防ぐことができれば、2500億円の医療費を削減することができ、また患者の家族の負担の事も考えれば、波及効果はかなり大きなものになります。

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家屋の断熱性は、政策によってその普及を促すことができます。エネルギー効率が高い家を普及するという地域エネルギー政策が、市民の健康向上にもつながるのです。

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原子力発電を止めるためには、代替エネルギーをどうするかという反論が必ず出されますが、その答えの一つが「地域エネルギーの推進」であると考えます。そして「地域エネルギーの推進」はエネルギー問題だけでなく、有効な経済対策でもあることがわかります。

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今回、勉強させていただいた田中信一郎さんをお呼びして、勉強会をしたいと考えています。また企画が固まったらメルマガ等でご案内いたします。

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☆★☆ 最後までお読みいただき
/☆\ ありがとうございました。

2023年12月10日